夜の歌
暗闇が怖いと思ったのは久しぶりのことだった
それは突然やってくるもの
恐怖と逃亡が絡み合っている不思議な気分だった
それの正体は
今日わかったんだけど
目の前で松葉杖をついてひっしでJR恵比寿駅を横切ろうとする
ちょっと前まできれいだったお姉さんだった。
夜に外に出るとき怖くなってしまうのは突然のことなんだけど
そういうときは決まってあっても
決まってどうしても外に出なきゃいけなかったりもする。
そんなわけで予備校に行ったまま自分は家に二度と帰れなくなるんじゃないかと
かわいそぶって自分を案じたりもした。
消え行くものはか細いもの。
ひっそりとした死の香りだった。
君が死ということばを使わないでと漏らすように
私も病院のエスカレーターから降りてくるやつらをむちゃくちゃにあたりちらしてやりたい
いつかは消えてしまう時を
今はただ前をむいて生きていますと
前向き発言して終わるような話なら苦労はしなくて
いつか
消えてしまいたくない
消えないで。
それは突然やってくるもの
恐怖と逃亡が絡み合っている不思議な気分だった
それの正体は
今日わかったんだけど
目の前で松葉杖をついてひっしでJR恵比寿駅を横切ろうとする
ちょっと前まできれいだったお姉さんだった。
夜に外に出るとき怖くなってしまうのは突然のことなんだけど
そういうときは決まってあっても
決まってどうしても外に出なきゃいけなかったりもする。
そんなわけで予備校に行ったまま自分は家に二度と帰れなくなるんじゃないかと
かわいそぶって自分を案じたりもした。
消え行くものはか細いもの。
ひっそりとした死の香りだった。
君が死ということばを使わないでと漏らすように
私も病院のエスカレーターから降りてくるやつらをむちゃくちゃにあたりちらしてやりたい
いつかは消えてしまう時を
今はただ前をむいて生きていますと
前向き発言して終わるような話なら苦労はしなくて
いつか
消えてしまいたくない
消えないで。
by tokyo.full-moon
| 2005-01-23 16:00
| 04Winter Poem